日商簿記2級の検定試験は、毎年3回実施されています。2月、6月、そして11月です。今後の日程は、商工会議所の検定試験サイトで確認されてください。
>> 商工会議所の検定試験/日商簿記2級
申し込みは各地の商工会議所で受け付けています。近くの、または自分が受験したい地域の商工会議所に問い合わせる必要があります。試験日の約2ヶ月前には問い合わせをしましょう。
申し込みの際は、受験申込用紙に本人が記入し、受験料4,500円を払います。
>> 近くの商工会議所を検索する
たとえば、東京の府中近辺にお住まいであれば「むさし府中商工会議所」が最寄になります。試験日の約2ヶ月前から約1ヶ月間、インターネットや郵送での申し込みと窓口での申し込みが開始されます。申し込み終了後、受験票が送付され、受験となります。
試験後は約10日後に合格発表があります。電話での問い合わせはできませんが、本人が窓口に行けば点数を確認することができます。郵送やインターネットでの申し込みの場合は、結果と点数をそれぞれ郵送あるいはインターネットで確認できるようです。
1ヵ月後には証書が交付され、晴れて検定合格者となるのです。
1級とちがい、すぐに合否の発表がありますから、残念ながら不合格になっても4ヵ月後の次回試験日に向けて再勉強に励むことができるのです。
試験科目
簿記2級の試験科目は、「商業簿記」と「工業簿記(初歩的な原価計算を含む)」です。
合格基準
どの級も70%以上で合格できます。1級は1科目ごとの得点が40%以上という条件があります。その回の試験の難易度によって、合格率が上下します。
受験資格
学歴・年齢・性別・国籍による制限はありません。だれでも受験できます。
試験時間
1級……9:00~
2級……13:30~
3級……9:00~
4級……13:30~
という感じの時間割となっています。時間帯のずれている2級と3級を同日にダブル受験することも可能になっています。その際は、それぞれの級の受験申込書が必要です。
定員になり次第申し込みを終了するところもありますので、早めに申し込むようにしましょう。
受験料
簿記1級……7,500円
簿記2級……4,500円
簿記3級……2,500円
簿記4級……1,600円
そのほか、郵送やインターネットでの申し込みの場合は手数料がかかる場合があります。受験したい商工会議所で確かめましょう。
簿記2級の試験範囲は大きく分けて
・商業簿記
・工業簿記
の2つになります。
簿記3級は商業簿記のみですが、簿記2級になると工業簿記が加わってきます。簿記3級を勉強してきた場合は、それをベースに簿記2級の商業簿記を学んでいけるのですが、工業簿記は新たに加わる試験範囲となります。この工業簿記がむずかしく、くせものなのです。
配点は、商業簿記が3問60点、工業簿記が2問40点となります。
商業簿記の試験内容
「仕訳問題」:毎回のように仕訳問題が出されています。仕訳問題は簿記の基本ですのでしっかりマスターしておきましょう。仕訳の8つの基本を常に頭でイメージするとよいかもしれません。
借方……資産の増加、負債の減少、資本の減少、費用の発生。
貸方……資産の減少、負債の増加、資本の増加、収益の発生。
「帳簿組織」:帳簿組織は全体の流れを把握することがポイントになってきます。たくさんの種類の帳簿があって、すべての仕組みを覚えきれるかどうか不安に思うかもしれません。練習問題をたくさん解いてなれることが大切です。
「伝票会計」:簿記2級は5伝票会計です。入金伝票、出金伝票、振替伝票、仕入伝票、そして売上伝票です。Tフォームを作成しないで仕訳日計表に転記すると早いようです。伝票会計は、わりあい簡単な問題が多く、得点をかせげる問題です。
「決算整理」:練習問題をたくさんこなすことが秘訣です。現金過不足、当座預金残高、売上原価、貸倒引当金、固定資産の減価償却、有価証券の評価、負債性引当金、繰延資産、無形固定資産、費用・収益の見越と繰越。これらがポイントになります。
「本支店会計」:基本は本店と支店の足し算になります。未達事項を早めに処理するのがコツになります。下書きを定型化するとミスも少なく、取り組みやすいようです。
第3問は、決算整理と本支店会計が交互に出題されているようです。
工業簿記の試験内容
「費目別原価計算」:材料、労務費、経費と勘定の流れをおさえていきましょう。勘定連絡図にも慣れておきたいものです。
「総合原価計算」や「標準原価計算」そして「直接原価計算」:それぞれの計算方法をしっかりおさえておきましょう。
「正確さ」と「速さ」のコツを経験者から学んでおくと、受験の時に役立つようですよ。
難易度が毎回ちがう
毎年3回おこなわれる簿記検定試験。70%以上正解で合格、という基準はいつもおなじです。ところが、合格率が毎回かわるのです。
簿記2級の合格率
第123回/平成21年11月15日……38.4%
第122回/平成21年6月14日……25.5%
第121回/平成21年2月22日……43.1%
といった様子で、20%~45%あたりの合格率を行ったりきたりしています。どうしてこうなるかというと、ズバリ、
「試験の難易度が毎回ちがう」
ということなのです。
>> 簿記検定試験受験者データ
また傾向として、難易度が高く合格率が低かった試験の次の回は、難易度が低く合格率が高くなるようです。特に目立ったのが平成16年でした。
第108回/平成16年11月21日……46.9%
第107回/平成16年6月13日…… 5.7%
第106回/平成16年2月22日…… 38.6%
第107回の試験は、前後と比べて本当におなじ検定なのかと思うほどの開きがありました。出題された問題が1級の試験かと思うほどの超絶レベルで異常にむずかしいものでした。過去問題集で挑戦してみるのもいいかもしれません。
うわさでは、第107回の出題に対して日商に抗議が殺到したそうで、その後は極端にむずかしい出題もなく、合格率も安定しているようです。
出題傾向
出題傾向も、いくつかの論点が交替で出されているようです。
第一問は、毎回仕訳問題。
第二問は、伝票会計と帳簿組織が交互に出題されています。
第三問は、決算整理と本支店会計、精算表が交互に出されてきています。
第四問は、費目別問題や部門別問題の出題が多い。
第五問は、さまざまな種類の原価計算が出題されています。
自分の得意な問題が出題されるといいのですが、なかなかそうもいきません。なにが出題されても解けるようにしておきたいですね。過去問題集に取り組むときは、おなじ傾向の問題をまとめて勉強すると、効果的なようです。
日商簿記2級は、満点100点中70点獲得できれば合格です。逆にいえば、30点落としてもいいのです。
[商業簿記]
第一問:20点
第二問:20点
第三問:20点
[工業簿記]
第四問:20点
第五問:20点
商業簿記がほぼ満点取れるのであれば、工業簿記は多少手薄であってもよいことになります。しかし、工業簿記ゼロ点では不合格ですから、配分を考えての勉強をしていきましょう。
簿記1級の場合は、全体で70%の得点かつ1科目ごとに40%の得点が合格ラインです。簿記2級は1科目ごとの規定はないので、たとえひとつの設問をまるまる落としてしまっても全体で70%の得点が取れていれば合格になります。
こちらのテキストには載っているけどあちらのテキストには載っていない、という情報は、さほど重要な情報ではないといえます。たくさんのテキストを入手して完璧な勉強をするよりも、過去問題集をたくさんこなす方が役に立ちます。
過去問題集を解いてみるときにその問題が出された回の合格率をチェックすると、やさしい試験の回だったのかむずかしい回だったのかがわかります。解いてみて採点すると、合格ラインの70%に達しているかどうかがわかります。むずかしい回の問題でも合格ラインを超えられるようになれば、自信をもって試験にのぞめますね。
合格率
過去の合格率は、商工会議所のホームページでチェックできます。
>> 簿記検定試験受験者データ
高校や大学の入試ですと合格人数が決められていて、高得点をとっても周囲にそれ以上の高得点者が多ければ、相対的に不合格になってしまうケースもでてきます。
日商簿記の試験は「70%の得点をとっているかどうか」だけがポイントになります。周囲の出来を気にする必要はまったくないのです。過去問題集にとりくんで60%前後の得点だったものが70%、80%とあがってくれば合格も近づいています。
出題問題の難易度は、その回によって上がったり下がったりします。自分の受験する回はどうなるのだろう、ということが気になりますね。
過去問題集をたくさんこなして自信が出てきたら、難易度の高かった回の問題や自分が得点をとれなかった回の問題を中心にとりくんでみましょう。そこでもコンスタントに70%以上得点できれば、難易度の上がり下がりも気にならなくなるでしょう。
もし時間があれば、どうしても正解できない分野を中心に復習してみるのもいいですね。
ここ数年の出題パターンをみてみましょう。
第一問(配点:20点)
商業簿記から「仕訳問題」
毎年、仕訳問題が出題されます。
問1~問5まで、それぞれちがった条件下でどのような仕訳をすべきなのかが問われます。設問の中に勘定科目について指定がされていますので、それを意識ながら解いていきます。
毎回5問出題されていますから、過去問題はかなりの数にのぼります。似たような問題も多いですからたくさん解いて、傾向に慣れておきましょう。
第二問(配点:20点)
商業簿記から「伝票会計」と「帳簿組織」のどちらかが出題されています。
「伝票会計」は、3伝票制と5伝票制がありますので、ちがいをつかんでおきましょう。
「帳簿組織」は、何の金額を問われているのか、また過程を問われているのか結果を問われているのかがポイントになります。下書きを定型化して数字をあてはめていくといいでしょう。
第三問(配点:20点)
商業簿記から「決算整理」や「精算表」、「本支店会計」が出題されています。
「精算表」は、T勘定をつかった解き方をしていくと、効率的になります。
「決算整理」は、下書きの定型化ができると、仕訳の拾い漏れやミスをなくせます。
「本支店会計」は、下書き用紙の書き方をマスターして過去問題を多くこなすのが大切です。
第四問(配点:20点)
工業簿記から「原価計算」の問題が多く出題されています。比較的、費目別原価計算の出題が多くみられます。勘定の流れを把握するのがポイントになってきます。勘定連絡図をしっかり書けるようにしておきましょう。
第五問(配点:20点)
工業簿記からやはり「原価計算」が多く出題されています。行程別原価計算、組別原価計算、標準原価計算、直接原価計算など論点はさまざまになっています。
